X6aBKDGd2tHc 7月/ 23/ 2019 | 0

立っているの謎
身内に不幸があるということの傷の深さというものは、初めて墓に母親の遺骨を納めた時である。葬儀を終え、四十九日の法要を経て骨壷を墓に納めた。消えない傷というものが残った。身内の最期というものが、心に残したものだ。パロディ映画のような話であるが、身内の最後というものが体にも傷を残すはずだ!とする説である。曰く焼き場で焼いてしまうその時こそ!曰く墓に骨壷を納める時に!パロディ映画のようなドタバタしたそれらの言を真に受けたことはなかったのだが、それからの日々の凄いのなんのって、死してなお!とパロディそのものとして語りたがるが、死したとて人間そんな傷は負わないだろう!!思わず叫んでしまうことのなんと多かったことか!立っているからあるのだとは墓である。死して後には、静けさの中、墓が立っているばかりである。墓場で一人墓参りしたある日、首がもげるが如く立ち上がった男子便器(女子高生コンクリート詰め殺人事件の徴である)に恐怖し、家族に墓からかけた電話が唯一の救いなのである。後にはただ風だけが吹き抜けていた。